なんだか短編小説みたいなタイトルですが、以下実話です。

先日、武蔵野線を利用して外出したのですが、北朝霞駅を出発して20秒ぐらいしたところで、電車のスピードががくんと落ちました。私はその時吊革につかまって立っていたのですが、何事かと思ってふと外を見ると、学生風の若い男性が、隣の線路上を電車と併走しているではありませんか!

当然、車内は騒然となったわけですが、ほどなく車掌のアナウンスがありました。曰く、「線路内を人が走っているため、安全確認の為に停車します」  というわけで、電車は止まり、その男性は猛然と走り去ってしまいました。

その後、何度か同じ内容のアナウンスがあった後、ようやく電車は動き出したのですが、当然のごとく徐行運転。途中で例の男性を追い越すんじゃないかと思って、ずっと車外を見ていたのですが、結局見つからずじまい。電車に勝って、先に隣の新座駅に到達したんでしょうか(笑)

電車に遅れが出た時のアナウンスで、時々「線路内に人が立ち入った」と聞くことがあって、「どういうシチュエーションで人が立ち入るんだろう?」とかねがね不思議に思っていたのですが、まさか本当に白昼堂々と線路を走る人がいるとは思いませんでした。

・・・と、ここまでは笑い話みたいなもんなんですが、実際のところ、電車が遅れたおかげで、その後の私の訪問予定が狂いましたし、もっと深刻な影響を受けた方もいることでしょう。遅延の影響は、私の乗っていた電車だけではないはずですから、迷惑をこうむった個々人の時間的なロスを積み上げただけでも、大変な損失になるはずです。ルール(というより常識)が守れない、あるいはモラルが欠如している人間の引き起こすトラブルが、いかに社会的なコストを増大させているかを考えると、さすがに暗澹たる気分になります。

こういう状況がすぐに改善するとは、残念ながら思えないので、やはり自分自身がいろいろなリスクを常に意識するしかないんでしょうね。リスクが減ればコストも下がるはずなんですが、なかなか簡単にはいかないものです。