4年に一度のサッカーアジア杯2019年大会が終了しました。
森保新監督率いる新生日本代表は、この大会のグループリーグでは、内容的にもスコア的にも物足りなさを感じさせつつ、グループ1位で決勝トーナメント進出を果たしました。そして迎えた準決勝のイラン戦、下馬評では優勝候補筆頭のイラン相手に、ほぼ完璧な試合内容で3-0と勝利し、決勝のカタール戦を迎えました。
この時点で日本中の誰もが日本の優勝を信じていたと思いますが、決勝ではご存知の通りカタールが組織・戦術・個人能力全てで日本を上回り、3-1でアジア大会初優勝を果たしたのでした。
この試合は私もテレビ観戦していましたが、カタールは5バックで「しっかり守ってカウンター」という基本戦術をベースに、驚異的なテクニックでのオーバーヘッドシュートでの1点目、中盤でボールを奪ってからのショートカウンターとコントロールされたミドルシュートでの2点目と、文句なしの試合運びを見せつけられました。
2022年のワールドカップ本大会はカタールで開催されますが、開催国であるカタールは、残念ながら開催国としては初の「本大会出場経験無し」チームとなります。しかし、そんな不名誉な肩書きを払拭すべく、カタールは10年以上前から国を挙げて代表チームの強化に取り組んでおり、今回のアジアカップ優勝でその成果の一端は証明できたと言えるでしょう。
対する日本代表ですが、昨年のワールドカップ本大会直前でのハリルホジッチ監督更迭以後、西野監督を経て森保監督、そして日本サッカー協会の謳う「ジャパンウェイ」と「純血主義」的な傾向が見て取れます。ここまでの森保監督率いる代表チームの戦績を見る限りでは、この方向性は一応の成功を収めているように思えますが、今回のカタール戦を観てしまうと、今後にかなり不安を感じるのが正直なところです。
サッカーの世界でも、育成システム、組織づくり、チーム戦術にはそれぞれ常に最新の知見が反映され、日々アップデートされているように感じます。日本サッカーも常に学ぶことを忘れずに、「ジャパンウェイ」なるものが、単なる「ガラパゴス化」にならないことを願いたいと思います。